現代詩人探偵 感想&ネタバレ
私の好きな作家の紅玉いづきさんの小説のひとつです。
最初に言っておくと、未読の方に優しくないのでまだ読んでいない!ネタバレしないで!という方は読まないでください(笑)
本当にこの方の書く文章の一つ一つが心に響くというか刺さる話が多い
最初にちゃんと伏線が張られていたのにそれに気づかずに読んでいたのが残念でしかたがない
途中、ん?と思うところもあったのだけれどそれを気に留めず流し読みしてしまい…
なぜ詩人は死ななければいけなかったのか
なぜ自殺だったのか
なぜ、しを書くのか
集まったメンバーの中で、それを一番知りたかったのは主人公だと思う
詩を書くということは、詩人であるということは、死によって証明されるのか
詩人がたどり着く先は、死だけなのか
詩人だから死ぬのか、死ぬから詩人なのか
卵が先か、鶏が先か理論。本当に大好きです。
棗は本当に魅力的なキャラクターだと思う
主人公と棗は相互理解が全くできていない(棗は多少主人公のことを分かっている)
言葉にするのは難しいけど、主人公は自分の詩を肯定する棗のことを嫌悪しているのは、遠回しの自己嫌悪なんだと思う
自分の詩を肯定されればされるほど、死んだ彼のことが忘れられなくなる
どうして死んだのか?
どうして盗作したのか?
友達だと思っていた人間に裏切られて、その時の怒りを悲しみを向ける相手がもうどこにもいないから、自分に向けているのかな?
棗は死ぬことによって名を遺す、有名になることに対して否定的なんじゃないかな
生きて、名を成すことに意味がある
だから数ある選択肢の中から編集者という道を選んだ
でも、敬一が死んだからこそ彼は編集者になったんじゃないかなって思うから、そういう意味で敬一は誰かを変えることができたし、誰かの心に残ることができたんだよね
最後に言えることは、私はこの小説が本当に大好きだなってことです。