どんびより

日常のあれこれや雑多な感想になる予定

のぞきめ 感想&ネタバレ

~~あらすじ~~

作家である主人公の元に集まった2つの怪談。どちらともに共通しているのはどこからか見られていると感じること。≪のぞきめ≫の正体とは? どうして彼は死んだのか?

導き出される答えとは?

 

www.kadokawa.co.jp

 

 

うまいあらすじの言葉が出てきませんでした(;´Д`)

 

今回はホラーミステリーの三津田さんの本です。

ホラーとかミステリーが本当に大好きなのでこの作家さんのお話は気に入ってます。

序章で書かれていたように私も「怪談」が好きなんですよね。

怖い体験とか、そういうのではなくて、お話としての怖いというのが。

どんな陳腐なものでも書き手次第にどうにでもなってしまう。

文字で読んで想像する。

それが怪談のいいところだと思ってます。

 

のぞきめ。

まさか、表紙がネタバレに近いものだったとは・・・・・・。

 

第一部で、登場人物たちは入ってはいけない場所に入りこんでしまう。

それは、招かれたのか、誘われたのか。

怪異というのはいつだって不条理に始まり理不尽に終わるものであるけれど。

どうして「のぞきめ」に魅入られた彼らは一様に転落死だったのか?という謎もある。

でも、「のぞきめ」が和世と勇太郎に付いていったということは、やはり、惣一は「のぞきめ」に覗き込まれていたという根拠になるのでは?

そして、多くの謎が残る第二部。ここの謎は主人公が示した答え通りなのではないかと思う。鎮女としていたのかどうかの詳細は分からないが、一人の女の子が鞘落家の人間を殺したのは納得できる。

でなければ、わざわざ想一に毒草の存在を示唆するようなことはしないだろうし、無関係とはいいがたいが鞘落家の人間ではない雑林まで殺すことはなかっただろう。

この一件があったからこそ村は滅びてしまった、あるいは村人が逃げ出してしまい廃村になってしまったのでは。

第二部において、「のぞきめ」はあくまで鞘落家だけの問題であり、被害にあうのも鞘落家のものだった。(鎮女の役割を担い、狂い女となったものは「のぞきめ」ではないと解釈する)

けれど、第一部では全く関係のない人間が被害にあっている。これは、廃村になってしまったことで、母娘(のぞきめ)を供養する者がいなくなってしまったために起こった出来事なのではないだろうか。